【富裕層の消費について考える 〜教育と健康への投資がステータス・シンボルに〜】

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最近の富裕層の方とのお付き合いで感じる事を書いてみました。

かつては、ダイヤモンド、派手なランボルギーニ、輝くロレックスは長い間、富裕層の代名詞でしたが、彼らは今、お金にとても慎重になってきています。
裕福さを見せびらかすことは、もはや豊かさを表す方法ではなくなっているのです。
教育や健康などへの投資は社会的流動性を高め、ミドルクラスには手の届かないものへのアクセスを増やす助けになる事になります。

富裕層の消費の変化

ルイ・ヴィトンのハンドバッグやブガッティ、ロレックスを持つことは、常にエリートであることの証しでした。しかし、こうした派手さは最近の超富裕層の間では見ることが少なくなってきています。
彼らは今、これまでになく安全やプライバシーにお金を使うようになっていて、丘の上の隠れた地域に家を買い替えるなんて事をします。

そして、上流階級と中流階級が同じ高級ブランドを買うことのできる大量消費時代に、富裕層はそのステータスを表す1つの方法として、形あるものを買うことを控え、形なきものに投資するようになってきています。
つまり、社会的ステータスを表すために物質的なアイテムを使う事をしないという事です。
基本的に経済的な豊かさを見せびらかすことは、もはや裕福さを表す方法ではなくなりました。
特にアメリカでは、トップ1%の超富裕層が2007年以降、物質的なモノに使う金額は減少していると、アメリカの消費者支出調査のデータで出ています。

しかし、これはミリオネアやビリオネアだけに限ったトレンドではないんです。
「意欲的な人々」と呼ばれる人々によっても実践されている様で、この新たなエリート層は、そのステータスを知識を得たり文化的資本を築くことで固め、それに伴う消費習慣については言及しないのです。
あからさまな物質主義を避け、富裕層は教育、リタイア後の生活、健康により多くを投資している。
これら全ては形のないものですが、中間所得層の消費者が買うようなどんなハンドバッグよりも実は何倍もコストがかかります。

教育への投資は社会的流動性を高める

こうした「人目をひかない消費」は、ミドルクラスの人には気付かれないのですが、仲間内のエリートには気付かれます。
エリート層は「文化的資本」を互いに表し、ステータスを固める事を意味します。
贅沢品では誇示できない方法で「特権を再生産する」のです。
知識を見せることは文化的資本を表し、社会的地位が上がり、人脈を作るときにも優位になる。

要するに、「人目をひかない消費は社会的流動性を高める」と考えているのです。超富裕層である親たちは、自身の階級を子どもたちのために再生産しようと力を尽くしています。
彼らは子どもたちに先進医療サービスを受けさせ、豊かな経験ができるガラパゴス諸島の旅へ連れていく。そして、最も重要なことは、ハイエンドな幼稚園からSAT対策の家庭教師やアイビーリーグの学費まで、子どもたちの為にあらゆる教育的なアドバンテージを用意しています。

トップ1%の超富裕層は、国民が教育にかける平均費用よりも860%多く教育にお金をかけていたデータもあります。
数億円を払ってアメリカで一番の小学校や中学校の徒歩圏内に住んだり、数百万円を払ってプライベートジェットに乗って大学の見学に行く裕福な家庭を想像してください。彼らは子どもたちが未来の成功や人脈を手に入れることを願って、こうした教育への投資をするのです。
そして、その親たちも常に働き続けることで自らの知識と業績に投資しています。
今日の『意欲的な人々』にとって、人目を引かない消費を選択することは、それを表に出さないにしても、社会的地位を確保するものになっていきます。

旅は心を豊かにします

それだけでなく、それは知識という財産になり、どんどん蓄積されていきます。
新型コロナの収束が見えない中でも、彼らは着々と収束時期に備え計画を立て、よりより経験を求め、新たな旅に出かける準備をしています。

こう言う観点で旅行を捉えて、体験を人間力のアップにつなげるのも富裕層に近づく1つの方法かもしれません。

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