アフターコロナの富裕層旅行を考えてみた

今、アフターコロナの富裕層の思考から見えてくる「2020年以降の旅行」とは


アフターコロナの2020年以降の未来の旅行は「高度なパーソナライズ化」が全てになるだろうと、ホテル業界や航空業界の専門家たちは見ている。
多くの国が新型コロナウイルスのロックダウンから恐る恐る抜け出し始める中、多くの人は再び旅行をすることを考えている。
そして、アフターコロナの世界では、長期休暇はこれまでにないほど贅沢なものになりそうだ。

旅行はよりパーソナルなものになるだろう。

ソーシャル・ディスタンスで高まるプライバシー

ホテルが再び客を迎え始める中、それぞれの客が自分ならではのホテル滞在をデザインできるようオプションが増えることになりそうだ。

滞在中にどのように世話をされたいか、客は尋ねられるようになるだろう。

「かばんを運んでもらいたいのか?」
「スタッフとは一切接触したくないか?」
「毎晩、 毎日部屋を掃除してほしいかどうか?」

また、昼食や夕食の提供時間が長くなり、一度にレストランに集まる人の数も減るだろう。
さらに、レストラン以外でも食事ができるようになるかもしれない。
ホテル内の、以前は使っていなかったようなおもしろい場所(ビーチやガーデン、屋上やスイートルーム等)で夕食や昼食がとれるようになる可能性もある。

ホテルのレストランで食事をするにしても、メニュー表を受け取ることはなくなるだろう。
全てリモートで行われるようになり、注文をするためにiPadを渡されたり、自身のスマホからQRコードを読みこんで注文したりする可能性もある。

これは一部のホテルがすでにルームサービスで取り入れていることは事実だ。

スタッフとの対面での接触が大幅に減るだろうと。。

―― つまり、よりプライバシーが高まるということだ。
例えば、受付でのチェックインは過去のものになり、客はスクリーンやアプリ、オンラインで自分でチェックインするようになるだろう。
ソーシャル・ディスタンスでわたしたちは普段よりも客から大幅に離れていなければならないので、
これはロマンティックな旅行にとっても良いことかもしれない。

混雑したバーに座るのではなく、バーテンダーが直接部屋に来て、飲み物を作ってくれるのが当たり前になるかもしれない。

いろいろな意味で、旅行はより贅沢なものになりそうだ。

シティホテルは客を取り戻すのに苦戦

ロックダウン後、客を引き付けるのに最も苦戦するのは都会のホテルだろうと考えている。
人が交わることによって生まれる都会の興奮や雰囲気に人は引き付けられるからだ。
中でも業務出張の旅行はピンチだ。企業はバーチャルなコミュニケーションがその代わりとなり、これまで払ってきたフライト代金やホテル代金の大幅な節約になることに気付いたからだ。

出張旅行の客に大幅に依存してきたシティホテルはそのあり方を見直し、レジャー客をもっと意識する必要が出てくる。
都会のホテルはもうその立地で客を引き付けることはできず、
客に来てもらうためのよりクリエイティブな方法を考える必要がある。
シティホテルは相当な努力をしなければならないだろう。

こうした理由から、都会の観光地はその人気が低下するかもしれない。
わたしたちは、雰囲気や興奮を求めて都会へ行きがちだ。
だが、今後違う方法を取らなければいけない。
都会のホテルはアートやカルチャー、娯楽といった面をより打ち出していかなければならない。
また、新型コロナウイルスのパンデミックで、都市部からより広々とした地方へ逃れたいと考える人が増えた。イギリスでは、大都市よりも趣のある村に人々は旅行先として関心を示している。

田舎のイングリッシュ・コテージやスコットランドの城からアルプスのシャレーやモルディブのヴィラまで、遠隔地や個人宅、人里離れた場所がより人気となりそうだ。

頻度が減り、より贅沢な旅へ

経験はもっともっとプライベートなものになり、どんなグループにも人は入らなくなるだろう。
だが、プライバシーとパーソナライズ化にはコストがかかる。
プライベートガイド付きの旅行が団体旅行に取って代わる中で、人々が今後、旅行に行く回数は減るだろうと見ている。ただ、その分、1度の旅行により多くのお金を使うようになると考える。

わたしたちのお客様でも、1年あたりの旅行に出かける回数を減らすことを考えている。
そして、プライベートジェットに大きな関心を示しているとよく聞く。

彼らは、以前のように何度も休暇に出かけることはしないからこそ、出かける時はもっと楽しみたいんだと、感じる。

機内が広々としているからというだけでなく、人々は普通の航空会社を利用するためにチェックインを待つのではなく、プライベートジェット用のターミナルが利用できることにも魅力を感じている。
普通の小旅行に行くのではなく、旅行者は長い休暇を楽しんだり、以前よりもある場所を深く探索したりすることで、フライトを最大限に活用したいと考えているのだろう。

色々と述べてきたが、やはり富裕層は旅行を求めており、そこに新たな価値を見出し続けている。

彼らの敏感な価値観をキャッチし、具現化することが旅行業界だけでなく様々な業界にとっても必要になるだろう。

See You Next Trip !!

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